「PMO案件ばっかなんですけど、成長しますか?」 と、よく質問されるので、”そもそも、ちゃんとPMOしてますか?”という 話しをします。
正直、PMOはめちゃくちゃ「戦略思考」が必要であり、 それを意識してこそ、最高のPMOになるのです!
悪いPMOと良いPMOでは、発言/口ぐせが異なる
まず、PMO案件ばかりで、自分は成長できるのだろうか?と、悶々とする前に、PMO案件を期限内に達成するために、こんなこと言っちゃってないかチェックしてみてください。
悪いPMOの発言/口ぐせ
- その作業は終わりましたか?
- その作業はいつ終わりますか?
- その作業が遅れている原因は?
- その対処は打ちましたか?
- 作業が遅れているので、赤信号とします。
これを言ってしまっているようなら、作業をベースとした ”尻叩き” になってしまっています。
これだと、「作業が終わっていればOK」的なプロジェクトになってしまい、それ自体が赤信号。
では、いいPMOってどんなものでしょうか?
良いPMOの発言/口ぐせ
- その検討すべき論点は何ですか?
- その論点の議論は終わりましたか?
- どの論点が議論が遅れてますか?
- その論点の検討の遅れに対処しましたか?
- 論点の検討がまだなので、赤信号とします。
このように、「論点ベース」での発言が繰り出されているようなら、良いPMO=戦略PMOとなります。
例えば、今検討すべき論点が5つだとします。
仮にその1つ目の論点は ”Aという機能を入れるか、入れないか?” だとしましょう。
この時、「このことについての検討状況は、どうなっていますか?」と聞いたとき、「終わりました」と言われれば、この論点は解決し、次に進めるという「答え」が出ます。
もしくは、「ユーザーサイドのここの部分を考えると、どうすべきか決めかねています」と言われれば、そのことについての論点をディスカッションできるわけです。
ここまでで、悪いPMOと良いPMOの大きな違いに気づかれましたか?
タスクベース?論点ベース?
ここで、一度、悪いPMO/良いPMOを並べてみます。

改めて並べると、悪いPMOはタスクベース、良いPMOは論点ベースになっていることがお分かりいただけるかと思います。
そもそも、タスクベースで言う重要性は、工数になってしまいます。工数が多ければ、そのタスクに重きが置かれてしまいますが、それを論点ベースで考えた時にも重要なのか?と言われれば、そうでないケースがあります。
例えば、論点ベースで考えた時には、6か月の工数のかかる作業より、3日で終わってしまう作業の方が、重要な項目である場合があるよね?ということです。
逆にタスクベースで追いかけていると、見かけ上は順調に進んでいるプロジェクトも、重要な論点が未解決のままで、あとで炎上。なんてことにもなりかねません。
ただのPMOになってしまうか(タスクベース)、戦略PMO(論点ベース)になるかの考え方の分岐点はここにあります。
チームの関係性にも影響する
少し視点を変えて、悪いPMOと良いPMOでは、プロジェクトを推進していく上で、チーム内の関係性にどんな違いが出てくるのか?も触れておきます。
例えば、悪いPMOパターンで進んでいるプロジェクトで、上司からタスクベースで「あの作業、終わったの?」と詰められたらどう感じるでしょうか?

は?まだ終わるわけないじゃん。。。このタイミングでこの質問?
不思議なもので、人はタスクベースで詰められると ”イラッ” としてしまうものです。
もし、これをお読みの方が上司の立場だった場合は、こんなマネジメントはやめましょう。
部下がちゃんと動いているのか、なんとなく気になって、さらっと発言してしまうと、あの人、仕事してんのかな?と、部下にポンコツ上司のレッテルを貼られかねません。。。
では、こう聞かれたらどうですか?

あの論点どうなってる?
論点ベースで質問されれば、こんな風に答えられるのではないでしょうか?

こちらは、田中部長と議論がかみ合ってなくて、ご意見お聞かせいただけますか?
というか、こんな風に答えられる働き方をして欲しいです。
これだと、一方通行な「詰められる」ではなく「相談」になります。
上司も、どこがネックなのか知ることができて安心できますし、相談することによって、解決できるのであれば、次に進めることになり、プロジェクト自体も円滑に進めることができるのです。
もし、上司の立場だったとしたら、論点がわかっている、こんな返しをしてくれる部下の方が心強いですよね。
まとめ
PMO案件ばっかりで。。。の質問から始まりましたが、どんな案件でも、タスクベースではなく論点ベースで進めていく。という働き方にスイッチできれば、自分の成長にも繋がるし、プロジェクトも円滑に進むし、チーム内のコミュニケーションも!と良いことばかり。
もし、タスクベースの働き方に振り回されているようなら、論点ベースで動いてみるチャレンジをしてみてください。
動画でも語っていますので、こちらもあわせてどうぞ。