マネージャー

コンサル「マネージャー」の ジレンマ/悲劇

コンサル多様化の弊害

なぜ、未熟なマネージャーが生まれてしまうのか?

僕がBCGにいた2013年頃とは異なり、コンサルティングファームも進化を遂げ、様々な「プロジェクト」を扱うようになり、いい面もあるが、当然、弊害も出てきている。
以前は、新規事業などを検討する上で欠かせない「市場調査ケース」や、3年・5年スパンの経営方針を立てるような、典型的な「中期経営計画ケース」だけだったコンサル業界もカラフルになり、新たに以下のようなプロジェクトも扱うようになっている。

  • 業務改革や、ITシステム統合など大規模/長期間かけて行うプロジェクトを統率する「PMOケース」
  • M&Aが活発に起きるなか、企業統合を支援する「PMIケース」
  • RPA、デジタル化、DXという言葉が踊る「デジタルケース」

これにより、テーマや付加価値の出し方も多様化し、コンサルタントに求められることも少しずつ変化してきている。
ここで、この先の話を進めていく上で、私が思う、コンサルマネージャーのレベルごとの特徴をご紹介しておきたい。
それぞれ3つの箱に入れ、ラベルを付けるならば、こんな風に分類されると思っている。

箱1(通称、一枚目)どんなケースでも「ケースリーダー」ができる、マネージャー! 業界、テーマ問わず、どんな「戦略ケース」もできるマネージャー。

箱2(通称、二枚目)ある領域(自分が今まで経験した領域)のケースなら「ケースリーダー」ができる、マネージャー! 業界は限られるが、その業界であれば、テーマ問わず、どんな「戦略ケース」もできるマネージャー。

箱3(通称、三枚目)ある領域(自分が今まで経験した領域)のケースかつ、「インプリ(実行支援)」ならできる、マネージャー! 業界も限られるが、それ以上にテーマも限られ、「戦略ケース」はできず、あくまで、実行支援のみ。

本来であれば、きちんと「戦略思考」が鍛えられるプロジェクトにアサインされ、マネージャーになる前に「戦略思考」ごりごりの、「一枚目」のマネージャーと一緒に働ければよかった。
しかし、コンサルティングファームの目的はあくまで、ビジネス/お金稼ぎ。
未熟なコンサルを育てる ”塾” ではない。
だからこそ、コンサルタント時代にアサインされたプロジェクトが拡大し、ビジネスが広がれば、当然、その流れで力不足のまま、マネージャーに昇進していくことは珍しくない。
そこで、「二枚目」どころか、「三枚目」のマネージャーが誕生してしまう。
ぱっと、マネージャーになってしまうことは避けられないし、給料もあがるので悪いことではない。というか、僕の考え方は

“なれるんだったら、まず、マネージャーになっちゃおうぜ”。

である。だからこそ、もし「三枚目」ならば、せめて「二枚目」に移り、”ある業界ならば、どんなケースもできるマネージャー” となり、 気持ちよく、MDを目指してもらいたい。
それでは、コンサルティングファーム内で起きている「マネージャー」の ジレンマ/悲劇を説明していきたいと思います。


3つのマネージャーのジレンマ/悲劇

① デジタルケースを担うマネージャーのジレンマ

プロジェクトがカラフルになる中で、ココ数年、増えたというか、「独占」してきているケースが「デジタルケース」。
デジタルケースを担うケースリーダーを育てるのが急務であるコンサルティングファームは、当然の選択ですが、まずは「システムやテクノロジーに明るい」SIerから、それも、給料/年齢の観点からダイレクトに「マネージャー」として採用する場合も多い。
コンサル未経験であるため、「戦略思考」を持たないまま、プロジェクトにアサインされるため、プロジェクトの「非」戦略ケース化が起きてしまう。

デジタルの知見がある
but 戦略思考が無い 
VS
デジタルの知見は無い
but 戦略思考はある

このジレンマだ。このジレンマの中にいる、マネージャーは災難が「不可避」となってしまう。
ここで、「デジタルの知見がある but 戦略思考が無い」マネージャーのジレンマの具体例をご紹介します。

「デジタルの知見がある but 戦略思考が無い」マネージャーのジレンマの具体例
SIerのまんま
前職の知識や経験など知見のみが武器となり、クライアントにその知見を説明するだけ。
クライアントも「コンサルティング」をお願いしたはずなのに、プロジェクトを通して、「SIerの要件定義」の域を出ていない。
知識だけを求められる便利屋
チームメンバーの方がコンサル経験が長く、突き上げを受けることになる。
そこはSIerで培った「大人力」でカバーするが、メンバーからは「ただテクノロジーやシステムに詳しいオジサン」と認定されるありさま。
似非コンサル
「DX」「アジャイル」と叫んでいるが、それは目的だったり、プロセス、開発手法。
当然、「クライアントが解くべき問い」=論点ベースでのプロジェクト設計を求められるが、タスクベースになり、WBSをヒタスラつくり、いっこうにMDやクライアントと噛み合わない始末。

これは、ある意味ショウガナイ。コンサルは常にポテンシャル採用だから。だからこそ、入社1年の間は「知識、知見」で信用を維持しつつ、「戦略思考」を学んで、2年目に、偉大な「デジタルケース」のケースリーダーに なりましょう。


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② コンサル未経験マネージャーの悲哀

最近では、コンサルティングファームの成長加速化/他ファームとの採用競争により、起きてしまっているのが、この事例。
入社難易度の高い社歴などが評価され、輝かしいキャリアを持ってコンサル未経験マネージャーとして参画しても、結局入社1年でOUTしてしまう事になる。
入ったケースでは、PPTの操作も覚束ない様子で、作成したPackはアソシエイトに指摘され作り直しする始末。
業界知見を披露するも、そもそも論点ズレな発言をする事も多く、アソシエイトとの間でメール内での喧嘩も絶えない日々。と、実にモッタイナイ。
地頭も経験もよかったが、コンサル思考・働き方を知らないだけで、残念な結果になる人は多い。


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③ 超ウルトラホワイト化する中での、マネージャーの悲鳴

僕がBCG時に入社した2005年頃、僕がマネージャーをしていた2010年頃などとは比べ物にならないほど、 コンサルの労働環境は変わった。
「働き方改革」を謳って、超ウルトラホワイト化しているのである。

  • 土日は愚か、平日22時以降は働かせない。徹夜などもってのほか。
  • 部下を詰めることができない。詰めたくても、ただただ、巻き取る・引き取る。

この超ウルトラホワイト化する中で、今までと同じ付加価値を出さなければならないなんて、もはや「地獄」。
今までのように、大量の「作業」を一つの付加価値として、クライアントに満足してもらう戦い方は古いどころか、できるはずもない。
どうすればいいか?この方法しかない。

論点を狭くして、限られたリソース/エネルギーを「一点突破」するしかないのだ。

そのためには、クライアントの論点を正しく把握した上で、私の言葉で言えば

論点を絞る

勇気を持って、「論点を絞る」ことをしなければ、価値はでないし、「クライアントがあっと驚くホームラン」など、打てない。
だからこそ、「タスクベース」「打ち手ベース」のモノゴトから脱却し、まさに、 「論点ベース」の仕事が求めれられる。


「タスクベース」からの脱却!論点を学んで働き方を変える

コンサルタントの黄金期である、念願のマネージャーになっても、苦しい戦いを強いられていては、ハッピーじゃない。
ヒタスラ頭を抱えている日々が続いているなら、そこから抜け出す一歩を踏み出してみませんか?

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