フェルミ推定の技術

「フェルミ推定検定」解答解説—レベル01~10

BCGオファーの弟子に解いてもらった「フェルミ推定検定」の解答を添削しつつ解説します

はじめに

まず、レベル1~10まで解説いきます。

正直、ドキドキしています。どのくらいできんのよ、ロータスよ。
あ、本名だとBCGから怒られそうだから、イメージでロータスとしています。
まだ、僕もさらっとも彼の解答を見てないので、まさに皆さんと同じ感じで、見ながら、一喜一憂しながら、解説したいと思います。

Youtubeでも「RBにオファーもらった弟子と、うちの天才CTOに解いてもらいました」というのをやりますので、ぜひ「考えるエンジンちゃんねる」を登録しておいてください。
いや、僕のモチベーションのために、登録してほしいです。

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「フェルミ推定検定」—問題

貴方は、何レベル?全部できたら、レベル99!

その名の通りですが、「どのくらい、フェルミ推定を理解しているか?」をクイズ形式で、というか、質問を99=レベル1から始まりレベル99まで出題していますので、ぜひ、考えてみてください。
※徐々に難しくなるようになっています。

「解答」を見てしまうと、分かった気になってしまい、 成長機会が薄れちゃうので、ぜひ、解説を読む前に、やってみてください。

「フェルミ推定検定」解答解説—レベル01~10

「フェルミ推定」の世界へようこそ。正直、コンサルタントだけでなく、全てのビジネスパーソンに身につけてほしいと思っています。ので、ぜひ、丁寧に勉強してみてください。 ということで、スタート。

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タカマツ

私もドキドキしてます。どんな回答が繰り出されているのか。
楽しみながら、いきましょう。

「フェルミ推定検定」解答解説—レベル01

【問題】フェルミ推定レベル01

フェルミ推定は因数分解が良く出てきますので、まずは因数分解クイズを出します。
では、売上を2通り因数分解しなさい。
① 売上=[   ]×[   ]
② 売上=[   ]×[   ]

【解答】フェルミ推定レベル01

① 売上=[客数]×[客単価] 
② 売上=[店舗数]×[1店舗あたり売上]

【解説】フェルミ推定レベル01

第一問目から、自分で言うのもなんですが、いい問題からスタートしますね。
この因数分解に全てが詰まっていますよね。
ビジネスパーソンであれば、最近はSDGsなどあり論点が複雑になってきておりますが、シンプルに「売上を上げるには?」が最も多いですからね。
それを2側面から見れるというのが、大事になってきますよね。
この話の延長戦上に、僕の師匠でもある「杉田浩章さん」が書いた「すごい構創力」に丁寧に書いてある、リクルートの生んだ傑作「リボン図」があるわけです。 ぜひとも、その本も読んでみてください。

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タカマツ

そして、ロータス、大正解。素晴らしいよ。

「フェルミ推定検定」解答解説—レベル02

【問題】フェルミ推定レベル02

コンサルタント志望者が面接で口走り、マイナスを食らう「需要サイド」「供給サイド」という言葉の意味をさらりと説明しなさい。

【解答】フェルミ推定レベル02

需要サイド⇒物やサービスの利用者側の視点からボトムアップで数値を積み上げて算出する方法
供給サイド⇒物やサービスの提供者側の視点から数値を算出する方法

【解説】フェルミ推定レベル02

いいですねぇ。私も実際、定義を書いたことなかったですが、正解です。
需要サイドは「サービスを利用する側」の視点で考える思考。
で、 共有サイドは「サービスを提供する側」の視点で考える思考。といった感じですね。

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99問もありますから、ぐっとこらえて、サクサクいきます。

「フェルミ推定検定」解答解説—レベル03

【問題】フェルミ推定レベル03

「フェルミ推定」はケース面接に限らず、ビジネスの色々なところで役立ちます。
では、問題です。この「フェルミ推定」の技術を武器の一つとしている、お仕事をコンサルタント以外で一つあげてください。
ヒント:皆さんは、将来、いくら貯蓄が必要ですか?とドキッとする質問をされます。。

【解答】フェルミ推定レベル03

ファイナンシャルプランナー

【解説】フェルミ推定レベル03

さすがですねえ。その通りです。この辺は楽勝ですよね。

「フェルミ推定検定」解答解説—レベル04

【問題】フェルミ推定レベル04

皆さん大好きラーメン、ラーメン。
「とあるラーメンの1日の売上を推定してください」と言われたとします。
ざっくり、とあるラーメンの1日の売上=[1日のお客さんの数]×[一人当たりの客単価]×[営業日数]と因数分解してみました。
では、[1日のお客さんの数]をもう一段因数分解すると、どうなりますか?

【解答】フェルミ推定レベル04

[席数]×[回転数]

【解説】フェルミ推定レベル04

はいはい、みんな大好き。いや、大好きになってほしい「回転数」
この回転数の概念は大事です。ちなみに、定義を教えておくと、
回転数=のべ利用者数 ÷ 座席数
となりますから、 席数が「何回転分」するのか?で考えるやり方です。
例えば、席が10席のラーメン屋さんだったら、ランチタイムに3回転を目指したい。という言い方で使います。そうすると、ランチタイムに、10×3で、30人来てほしいということになります。

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確か、回転数と稼働率の話はクイズに出したと思うので、その時、語ります。

「フェルミ推定検定」解答解説—レベル05

【問題】フェルミ推定レベル05

因数分解間違い探しをしちゃいましょう。
日本の婚約指輪の市場規模=[1年間に結婚するカップル数]×[婚約指輪の値段]
とした方がいます。さぁ、間違いを指摘してあげてください。

【解答】フェルミ推定レベル05

① 結婚するカップルすべてが婚約指輪を購入するわけではない
(② 指輪は1カップルにつき2つになるので[カップル数]×[2]か×[購入数]が必要になる)

【解説】フェルミ推定レベル05

まさに!正解!!!! 実は、ロジカルシンキングを鍛えるのに一番良いのが、こういう因数分解の「間違い探し」 なんですよね。
もう少し言うと、MECEやら、帰納・演繹みたいなのって、もうね、それは 「教えやすい」だけで、現場では「使えない」。というか、使えるレベルでは、習わなくても知っている。
なので、こういう因数分解の「間違い探し」って、 算数的な間違いではなく「現実とズレてないっけ?」ってレベルでのロジカルシンキングなので、面白いし、使えるんですよね。
ですので、「フェルミ推定の技術」を磨くと、自ずとロジカルになれます。

「フェルミ推定検定」解答解説—レベル06

【問題】フェルミ推定レベル06

因数分解間違い探しをしちゃいましょう。
日本の乳母車の市場規模=[1年間に生まれてくれた赤ちゃんの数]×[乳母車の値段]
とした方がいます。さぁ、間違いを指摘してあげてください。

【解答】フェルミ推定レベル06

赤ちゃんがいる家庭全てが乳母車を購入するわけではないので[乳母車を購入する割合]が必要になる

【解説】フェルミ推定レベル06

さて、さて、「因数分解間違い探し」はロジカルシンキングに通ず。ということで、もう一段、出させていただきました。
まさに、ロータスが答えてくれている。しかし、 表現としては、否定ではなく、肯定的に思考を回せるようにしておきましょう。

否定的な思考=赤ちゃんがいる家庭全てが乳母車を購入するわけではないので[乳母車を購入する割合]が必要になる

ではなく、

肯定的な思考=赤ちゃんが生まれる度に毎回、乳母車を購入する世界ということになる。つまり、一人目の子供の時のを使えるほどの時が経った「二人目」的な イメージになる。ので、[乳母車を購入する割合]を入れたい。

ほんと、質問に応えてても思うけど、 「フェルミ推定」はロジカルシンキングを超える。と、本当に、しみじみ思う。

「フェルミ推定検定」解答解説—レベル07

【問題】フェルミ推定レベル07

因数分解を進化させてみましょう!
コーヒーショップの因数分解をしてたよ!と、いきなり、彼氏が言ってきました。
ちらっと見てみると、

コーヒーショップの売上=[席数]×[1日の回転数]×([コーヒーの値段]+[サイドメニューの値段])×[営業日数]

↑こうなってました。
さて、機嫌が悪くなる恐れありますが、因数分解を進化させるインプットをしてあげましょう!

【解答】フェルミ推定レベル07

コーヒーショップに来店する人全員がサイドメニューを注文するわけではないため、[サイドメニューの購入割合]を入れた方がよい。また、人によってはゆっくり滞在してコーヒーを数杯飲む人も想定できるので、[注文する杯数]を入れた方がよい。

【解説】フェルミ推定レベル07

いいですね。厳密に言えば、ロータスの答えは、この因数分解で吸収できています。
というのは「サイドメニューの値段」と雑に書いてますが、これは 「平均!サイドメニューの値段(客単価)」となるので、そうなれば、吸収できますよね。
まぁ、僕の表現が親切じゃなかったですね。
で、僕が想定していたのは、そんなに「ルノアール」前提ではなくて「スタバ」前提で 気づけるようなことでした。そう「テイクアウトが抜けているよ」でした。

「フェルミ推定検定」解答解説—レベル08

【問題】フェルミ推定レベル08

よく例に出される「スポーツジムの市場規模」の因数分解を「需要サイド」「供給サイド」両方でやってみてください。

【解答】フェルミ推定レベル08

需要サイド⇒[人口]×[ジム利用率]×[月会費]×[12ヶ月]
供給サイド⇒[ロッカー数]×[回転数]×[営業日数/月]÷[利用回数/月]×[月会費]×[12ヶ月]

【解説】フェルミ推定レベル08

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いいですねぇ。ちょっと、解答に揺らぎが出てきてますね。少しずつ、レベルを上げて指摘もしていきます。

まずは、需要サイド。これは、こんな感じでいいですよね。
もちろん、[人口]をさらに分解してもいいかもしれません。
[人口]=[人口]×[スポーツジムに通える年齢層]
とする。こうすることで、ざっくり高校生、もしかしたら、大学生までを除いて[ジム利用率]を考えたほうが解像度があがりますよね。

で、供給サイドは、算数的には合ってますけど、ちょっとだけ、直しますかね。
解答はこちらでしたね。

供給サイド⇒[ロッカー数]×[回転数]×[営業日数/月]÷[利用回数/月]×[月会費]×[12ヶ月]

すごく気持ちはわかるけど、今回は「スポーツジムの市場規模」ですから、 当然ですが「店舗数」の概念を入れたほうがいいですよね。

[スポーツジムの市場規模] =[店舗数]×[ロッカー数]×[回転数]×[営業日数/月]÷[利用回数/月]×[月会費]×[12ヶ月]

の方がいいですよね。しかしながら、あとの問題にも出てきますが、 のべ人数⇔ユニーク数の転換をさらっとしているのが素敵です。

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この「フェルミ推定検定」は読むだけで、フェルミ推定だけでなく、思考力が上がる仕組み(=グリードアイランド方式)ですので、楽しんでやってみてください。

「フェルミ推定検定」解答解説—レベル09

【問題】フェルミ推定レベル09

よく例に出される「温泉旅館の市場規模」の因数分解を「需要サイド」「供給サイド」両方でやってみてください。

【解答】フェルミ推定レベル09

需要サイド⇒[温泉利用者数]×[単価] ⇒[人口]×[温泉を利用する割合]×[年間訪問回数]×[客単価]

供給サイド⇒[温泉旅館数]×[1館あたり売上] ⇒[温泉地]×[1温泉地あたりの温泉旅館数]×[部屋数]×[稼働率]×[営業日数]×[客単価]

【解説】フェルミ推定レベル09

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さて、さて、どうですかね。はい、供給サイドはいいですよね。でも、今度も需要サイドがややブレてますね。

[温泉旅館の市場規模]= [人口]×[一年間に旅行にいく回数]×[そのうち、温泉旅館に泊まる割合]× [平均の一回の旅行での泊まる日数]×[1日のお値段]

という感じですね。丁寧に「現実を投影する」というフェルミ推定というか、 モデル化するときに必要な頭の使い方に慣れてください。

「フェルミ推定検定」解答解説—レベル10

【問題】フェルミ推定レベル10

ひと休み的なクイズをひとつ。
コンサルティングファームへの転職の際に実施される面接においてフェルミ推定が出題されます。
その中でも、最も「フェルミ推定」において、ハードルが高いのはどこのファームでしょうか?

【解答】フェルミ推定レベル10

ベイン&カンパニー。思考時間が3分と最も短く、計算ミスが一発アウトのため。また、1回の面接で2人とフェルミ推定を行い、2回目で1回目の面接官からのインプットを踏まえた成長を見せる必要があるため。

【解説】フェルミ推定レベル10

正解。もちろん、極端に短い時間に加えて、因数分解の細かさが「+2個」な感じ。
リアリティをとか、ビジネスモデルとかよりも、比重はロジカル、MECEにちゃんと分けて、 人より細かく分ける感じですよね。

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では、次の10問も見ていきますのでお楽しみに。


「フェルミ推定検定」問題はこちら


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フェルミ推定力が磨ける動画は今後も新規公開予定ですので理解をより深めるために、ぜひチャンネル登録を。


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